活動報告
市長は財政健全化に着手せよ!
令和5年度の予算を審議しています。山中市長が就任して初めて本格的に編成された通年予算案です。一般会計予算規模は、1兆9,022億円で前年度比マイナス3.7%となっています。減少要因としては、長引くコロナ禍で苦しんでいる中小企業融資の減(マイナス748億円)です。つまりこれを除くと実質プラス予算と言えます。
さて私が一番驚いたのは財政局の資料の中にある減債基金に関する記述。借金返済のための貯金、つまり減債基金を2030年まで毎年取り崩しながら帳尻を合わせる、と言う部分です。令和5年度だけ、と言う事ではなく令和12年度、2030年度までです。これは異例の策と言うか異常策なのですが、財政局は正々堂々と提示しています。本市は毎年1,000億超の市債を発行しているので今回も多めに発行すれば、予算編成の作業(積み上げ作業)は完了(帳尻合わせ)します。しかしあえて借金返済のための積立基金を切り崩すというのです。※まぁ市債発行比率(依存度)を上げると、書類上目立つのでそれを回避したいという思惑もあるのでしょうけど。
まともなのは実は財政局だけ?
予算の編成の権利と予算の執行の権利は市長にあります。自らの公約実現のため、新しい事業を始めるよう市長は行政に対して「あれをやれ・これをやれ」と行政に支持を出します。一方で我々議員も「あれをやれ・これをやれ」と行政に要望をします。
指示や要望を事業として試算しで可視化する実務作業は行政であり、その合算作業(総支出)は財政局です。それと同時に予算(総収入)を計算し積み上げるのも財政局です。今回の減債基金切り崩し策は「市長の要望も議員の要望も反映しましたからね!」「打ち出の小槌や財布はもうありませんよ!」「本市財政の状況を理解して下さいね!」という財政局からの露骨なメッセージに見えます。
道路の上にあるもの
片手間ですが私は泉区内でいくつかのボランティアに参加しています。消防団を19年間、小学校のPTA会長を5年間など。当然私は地域住民の一人として消防団に参加しておりますし、PTAについては一保護者として参加しています。
さて小学校の中にはスクールゾーン対策協議会とう組織が別段ありまして、PTA会長がその会長を兼務するのが市内の慣例となっています。つまり私です。組織のメンバーが毎年全通学路を点検し補修や改善の必要な案件を取り纏め、道路の管理者である行政に要望します。この要望の中で大部分を占めているのが道路の上にある白線に関する要望です。「消えかかっている横断歩道線」など。しかしこの要望が直ちに叶うのかというとNO、それどころかここ数年は不思議なくらい放置され、経年が増して線の状態がどんどん悪化しています。
暫定措置の中の政令指定都市よこはま
道路の上の線に関しては本校PTAや通学路に収まらず他校のPTA会長から直接相談されることもありますし、地域の住民の方からも要望がきます。取り分け一昨年、昨年と大変多くの要望を頂いている状態です。私の主観ですが、議員生活12年の中で最近の状態が一番酷いと感じながら車を運転しています。皆さんも意識して見て下さい、とにかく凄いです。
さて本題です。横浜市は政令指定都市(政令市)という位置づけにあります。難しい説明は割愛しますが、政令市制度は1956年に暫定措置として運用が開始され、横浜は1989年に政令市の道を進み始めました。その結果、神奈川県の仕事と横浜市の仕事が入り組んでいます。小中学校や消防、路面のアスファルトは横浜市の仕事。高校や警察、路面の歩道線、停止線、信号、標識は神奈川県。泉区役所も泉土木事務所も横浜市の出先機関ですので許可無しで神奈川県の仕事は出来ません。なにせ会社が違います。
この現状を横浜市議会は横浜市民の不利益と位置づけ、解決のための議論を交わす大都市行財政改革特別委員会を設置しており、昨年度私は委員長を務めました。
【泉区の大きな特徴】
耕作地面積第1位
横浜市は18の区で出来ています。職業上私にとっては基本中の基本的な知識ですが、意外と知らない人、多いです。因みに泉区内の連合自治会は12コです。知らなくても生活に困らないですからね。
さて、泉区は18区の中でどのような位置にあるのかと言うと、面積は市内10番め、世帯数は15番めで人口は14番めという区です。
人口密度も最低ランクの17番めとなります。
最低ランクと言いましたがこれは一人に対しての面積が広いという事ですので、机上論での説明では、人一人に対してゆったりした空間がある贅沢な環境、という事になります。
「なんじゃそりゃ!」と言う方も多いと思いますが、この机上の数字が算出される一番の要因は緑地の広さです。
耕作地面積が市内で一番広いからです。
区の面積が10番めにも関わらず耕作地面積が第1位、凄いです。文句なく田舎ですね。
ところがここ10年で農地の状況が変わってきています。
耕作放棄地の拡大が顕著化しています。
農家が耕作を止める、営農を辞める理由は色々とありますし辞める事も自由ですので書きませんが、工作を止めてもその土地が有効活用出来ない理由が存在します。
【泉区の大きな特徴】
第18位の市街化区域と第1位の市街化調整区域
横浜市内の地面は大きく二つに別ける事が出来ます。タイトルの①市街化区域②市街化調整区域です。ご当地泉区はと言うと実は半分近くが②の調整区域という状態です。
一言で言うと条例により建物を建てられない土地のこと。
踊場・中田・立場・下飯田・緑園都市・弥生台・いずみ野・いずみ中央・ゆめが丘、と、他区と比べて少し多めの9駅が存在し、公共施設の数も決して他区に劣っていないにも関わらず区の46.4%、半分近くが調整区域に指定されています。
区内の調整区域総面積は市内第3位、対区面積比率は市内で圧倒的第一位です。因みに瀬谷区30.4%、戸塚区34.6%で西区・中区はゼロ%です。
ここを開発するべきか否かという議論は永遠に続くと思われますが、取り合えず開発しないと新しい住人の入る余地は無いと思います。まさに読んで字の如くですね。
泉区民が対象の住民意識調査の「Q、泉区の住環境のうち、周りの人へおすすめしたいのはどのような点ですか?」の結果、「豊かな自然環境」が
67.0%、次いで「治安の良さ」、「職場・学校へのアクセスの良さ」、
「地域コミュニティの充実」、「趣味の実現(ガーデニング、スポーツ等)」、「保育園・幼稚
園の入りやすさ」との回答が出ています。
この67%もの区民が示した豊かな自然環境という物が調整区域に多く存在しているのも事実ですので、区の進むべき方向やかじ取り、開発の塩梅が難しいのが泉区の持つ課題の特徴でもあります。